人工ブラックホールというと、以前「LHC がブラックホールを作っちゃうかも」というニュースが話題になりましたが、LHC なんて巨大な設備ではなくても、ホーキング放射の検証に使えるものは個人でも作成できるようです。
スタインハウアーが作った人工的なブラックホールは本物のブラックホールのように光を含めて何でも吸い込むというものではなく試験用のチューブ内に流体を 流し、ある地点でそれを音速以上に加速させることで音響的な事象の地平面を生み出すというもの。本物のブラックホールでは光が逃げられなくなる位置で事象 の地平面が発生しますが、この人工ブラックホールでは音が逃げられなくなる位置を事象の地平面とします。
光ではなくて音で事象の地平面を作るって、それを思いついたのもすごいですが、それを本当に作ろうと思うことがまたすごい。さらに本当に作っちゃったのは、三日坊主で妄想族の私からしたら、とんでもない根気とイマジネーションパワーで度肝抜かれましたわ。
そしてこの音響的な事象の地平面に一対のフォノン(音子、音響量子、音量子)を発生させ、フォノンの片方がブラックホールから放射されるように移動し、一方のフォノンがブラックホールにとらわれるホーキング輻射と同様の現象が発生するのを確認したとのこと。
記事の最後にもありますが、この実験を発端として理論物理学者のホーキング博士がノーベル賞を受賞することになれば素晴らしいことですね。
理論物理学を地球上で実験してしまったスタインハウアーさんは漢ですわ。スタインバーガーとショーペンハウアーを足したような名前も、ヴァン・マルムスティーンみたい(10年くらい前のヤングギターかギターマガジンに出てたんですよこういう名前の人がまじで)でかっこいいっすわ。
人工ブラックホールとスタインハウアーさんの写真はこちらにあるようです。人工ブラックホール生成機と思わしき機械の隣でドヤ顔です。
One-man band: the solo physicist who models black holes in sound : Nature News & Comment
いやーやっぱり面白いですね宇宙の話は。
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