ISASトピックス「「はやぶさ」の帰還とカプセルの再突入・回収にむけて」がわかりやすいです。はやぶさの現状についての復習に最適。

「はやぶさ」の6月帰還に向けて、はやぶさチーム川口プロマネが、現状をわかりやすく解説している文章をアップしてくださっています。

ISAS | 「はやぶさ」の帰還とカプセルの再突入・回収にむけて / ト

これを読むと、ここからがまさに「正念場」であることがわかります。はやぶさ満身創痍すぎて読まなきゃよかったと思うほどです。

この帰還・再突入にむけて、今月から来月にかけて、「はやぶさ」探査機の運用は佳境を迎えます。よく受ける質問に、これからどんな難しさが待っていますか?というのがあります。
大変心配しているのは、
1.ホイールの寿命、
2.イオンエンジンの運転性、
3.漏洩燃料の再ガス化、
4.イオンエンジン運転中の軌道決定、
5.耐熱材の状態、火工品の環境、分離バネの経年変化です。

5つも心配していることがあるのです。もう大変。
で、以下その中身です。(適宜改行・フォントサイズ変更しています)

ホイールは、ほかの同一設計・製造の2つのホイールが4年前に故障していて、現在残っている1つが稼働できていることは奇跡的なことです。

イオンエンジン は昨年11月、幸いにも代用の方法で運転を再開できましたが、本来の使用法ではないために、中和器の状態などがテレメータで情報が見えない運転を余儀なく されていて、かりにダメージを受けやすい運転状態に置かれていたとしても、それを把握できないなど、不安な運用が続きます。
ご報告しているようにAエンジ ンは、電子レンジでいえば空だき状態で、その寿命も心配なところです。

2005年から2006年にかけて探査機を襲った燃料の漏洩についても、これまで何 度か残存ガスの排気を行うべくベーキングを行ってきましたが、5月以降は、地球公転軌道よりも内側に入るため、探査機上面の温度がどんどん上昇して、再び ガスが噴出しないか心配なところです。

「はやぶさ」運用で確立をはかってきたイオンエンジン運転中の軌道の推定技術は、ある程度の精度を確保できる段階ま でに到達しているのですが、のこりの地球帰還に向けての推定精度を確保できるかどうか、これも大変気がかりなところです。

カプセルの耐熱材は、担当者は自 信をもっていますが、探査機の飛行が7年間に延びたことから、性能への影響などやや心配な点があります。火薬類を用いる機械的なデバイス(火工品)やカプ セルを分離する高分子材料製のバネの経年劣化など、分離の機能が発揮できるかも大いに心配なところです。

以上のことから、なんとかがんばってカプセルを地球に落とせば燃え尽きずに地上に落ちてくるはず!ということがわかりました!

たいへん大変ですね。。。

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