先月就任して以来、「本当に大統領になったら日和るだろ」という大方の予想を裏切って、嬉しそうに大統領令にサインしまくっており(どこかに一覧がありましたけど探し出せません)、「政治家は実行力と決断力」を地で行っており、政治の勉強は維新塾でやったと確信せずにいられないトランプ大統領ですが、このうちの一つ「難民受け入れ拒否・中東からの入国拒否」の大統領令の影響が、大きな波紋を広げているようです。
トランプ米大統領は27日、テロ対策強化の一環としてイスラム過激派の入国を防ぐため、より厳格な入国審査を実施するよう命じる大統領令に署名した。シリアからの難民受け入れについて期限を明記せずに停止し、他国からの難民も受け入れを120日間停止する。
その波紋は、なんと科学の世界にまで及んできました。国際天文学連合(IAU)が、この大統領令に反対する声明を発表しました。
The International Astronomical Union (IAU) has joined the chorus of voices objecting to President Donald Trump’s executive order that temporarily bans immigration from seven Muslim-majority nations.
(国際天文学連合は、ドナルド・トランプ大統領の、イスラム教徒多数国 7 か国からの入国を禁止する大統領令に反対する合唱団に加わった)
なんでまた科学者団体がこんな政治的なメッセージを出しているのかと、不思議に思いました。人権と科学が何の関係があるのかと。どうやら、天文学における国際協力や科学者の移動に影響があるということのようです。
確かに、こんな措置を取られると、国際会議を、科学研究の最先端の地であるアメリカで開催することができなくなってしまいます。優秀な人は国籍に関係なく優秀ですからね。参加すべき人が参加できない国際会議は不完全な感じがしますので、会議の空気に中途半端感が漂うことは否めません。
そして実際的な問題として、科学の探究は、ある意味人間の生活を良くするための活動ですので、その進歩のスピードが遅くなる懸念はできるだけ除きたいということですね。
“Perhaps more importantly, science plays a critical role in advancing national security, a strong economy, public health, and food security, and as such, scientists must be allowed to share their work directly and openly with the public,” McEntee added.
(「科学は国家安全保障、経済、公衆衛生、食糧安全保障を進める上で重要な役割を果たしており、科学者は直接的かつ公然と自分の仕事を共有することが許されなければならない」とMcEntee氏は付け加えた。)
これはアメリカにとって、
移民が減って雇用情勢や治安が多少良くなるメリットと頭脳流出が捗るデメリットを差し引きすると、圧倒的なマイナスにしかならないと思うんですが、アメリカ第一主義のトランプ大統領はどう考えているのでしょう。
これをチャンスと捉えて、ナチスドイツからアメリカに逃げたユダヤ人になぞらえて、「ここは日本はオープンな国であることを宣伝して、優秀な頭脳を日本に呼び込もう」という意見もあるようですが、我が国の外国人研究者受け入れ体制とか素地とか、そのへんどうなんでしょうね。上手く立ち回って日本復権のチャンスになればよいのですが。
とりあえず IT 企業の営業担当者は、アメリカに入国したくてもできない人が、アメリカで開催される国際会議クラスの大規模会合に、あたかもその場にいるかのような臨場感で参加できる遠隔会議参加システムの売り込みに、中東へ飛ぶべきだと思います。
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